5万年ぶりにやってきて、今回の観測機会を見逃すともう太陽系に帰ってこないので二度と見ることができないといわれているZTF彗星(ジーティーエフすいせい)が大きな話題を呼んでいます。
二度と見られない世紀の天体ショーを見逃したくないので、ZTF彗星の空での見つけ方が気になるところ!
さらにZTF彗星の見つけ方の他にも、時間や方角や、いつまで見られるのかもあわせて気になりますよね。
そこで今回は、
- ZTF彗星って?
- ZTF彗星の見つけ方は?
- ZTF彗星の観測できる時間は?
- ZTF彗星の観測できる方角は?
- ZTF彗星が観測できるのは2/2日未明からいつまで?
についてお送りします。
ZTF彗星って?
ZTF彗星は、2022年3月2日に米カリフォルニア州のパロマー山天文台の観測プロジェクトで発見された新しい彗星です。
太陽系の端にある「オールトの雲」からやってきたとされています。

「オールトの雲」とは、地球から数兆キロ離れた無数の小さな天体が集まる「彗星の巣」のこと。
国立天文台によると、接近は約5万年ぶりとみられ、最接近するのは2日未明。地球から約4200万キロメートルまで近づく。5等級ほどの明るさになり「天の川が見られるような暗い空であれば、肉眼でもぼんやりと観測できる」としている。
発見当時は17等級ほどのぼんやりした点にしか見えなかったZTF彗星。
しかし5万年ぶりに2023年1月頃から地球に大接近し、5等級の明るさにまで輝いて観測ができることに!
国立天文台によると、接近は約5万年ぶりとみられ、最接近するのは2日未明。地球から約4200万キロメートルまで近づく。5等級ほどの明るさになり「天の川が見られるような暗い空であれば、肉眼でもぼんやりと観測できる」としている。
5万年前というと、ネアンデルタール人がまだ地球上で生きて活動していた時期です。
旧人類の人たちがみていた彗星を2023年現在の地球に暮らす私たちが観測できるのは、大いなる宇宙のロマンを感じますね!
ちなみにZTF彗星は今回の観測チャンスを逃すと、もう二度と見ることができないといわれています。
軌道から考えると、5万年ぶりに太陽に接近したとされるが、接近の途中で惑星の引力の影響を受けて軌道が変わり、太陽系から離れて二度と戻ってこないと考えられているという。

ZTF彗星は緑がかった色が特徴なので、「緑の彗星」とも呼ばれています。
イギリス・ポーツマス大学宇宙論・重力研究所のクリス・パティソン上級研究員は、
「これは間違いなく、この天体を観測する一生に1度のチャンスだ」
「何であれこんな珍しい天体を見るのは興味深いものだ。この明るさの彗星が地球のこんなに近くを通過するのは珍しいし、きれいな色だからなおさら興味深い」
と話していて、一般人のみならず、天文学界からも世紀の天体ショーへ注目が集まっています。
ZTF彗星の見つけ方は?
ZTF彗星の見つけ方は、国立天文台の情報では夕方以降に北の高い空を見ていると見つけられるそうです。
もう一つのZTF彗星のおススメの見つけ方は、「VIXEN Comet book」(無料)のスマートフォンアプリです。
引用:https://starwalk.space/ja/news/comet-c2022e3-to-pass-earth
ZTF彗星の見つけ方①国立天文台の情報
国立天文台の情報によるZTF彗星の見つけ方は、北の空の方角を明るい1等星を目印に探すという方法です。
2月に入ると、夕方、十分に空が暗くなった頃には、すでに北の高い空に見られます。夕方から宵の時間帯が観察には好条件です。特に2月8日前後の宵の時間帯には、ZTF彗星の位置はほぼ天頂となり(東京の場合)、好条件で観察できるでしょう
なおZTF彗星は、いくつかの明るい1等星や惑星に接近します。2月5日から6日にはぎょしゃ座のカペラ、2月11日には火星、2月14日から15日にはおうし座のアルデバランの近くに見えます。これらの日の前後は、明るい星がよい目印となるでしょう。
平塚市博物館 学芸員・藤井大地さん:
明るい星をたよりに彗星を見つけることができるかもしれない。さらに8日前後は、彗星の位置がほぼ真上にくる。

明るい星と星座を頼りに手掛かりに探していくんですね。
2/2のピークが過ぎても、ZTF彗星を見つけるのは思いのほか難しくないかもしれませんね!
ZTF彗星の見つけ方②「VIXEN Comet book」アプリ
ZTF彗星を観測したいと思っても、なかなか天体観測に慣れていない方は彗星自体を見つけられない可能性もありますよね。
そこで素早く確実にZTF彗星の見つけ方を教えてくれる、天体観測に便利なアプリ「VIXEN Comet book」をご紹介します!

android版、ios版両方に対応していますので誰でも利用することができますよ。
画像付きで分かりやすく使い方を解説していきますね!
①まず「VIXEN Comet book」をダウンロード →位置情報を「アプリの使用時 or 今回のみ」を選択
※位置情報がないとZTF彗星を見つけることができません。
「VIXEN Comet book」android版ダウンロード
②「彗星選択」をクリック →「ZTF(C/2022E3)」を選択
③ZTF彗星が画面に表示されたら①~②を順にタップ →「デバイス追従モード」を選択
設定が完了したら、スマートフォンを空にかざします。
「デバイス追従モード」に設定しているので、スマートフォンを向けた方角に応じて画面に表示される天体情報が変化します。

これで画面を見ながらZTF彗星を探せば、あっという間に探し当てることができますよ!
彗星探索初心者でも簡単にできる方法なので、ぜひZTF彗星の見つけ方が不安な場合はやってみてくださいね!
ちなみにこちらの動画では、「VIXEN Comet book」の使い方がサラッと説明されている他、アプリを使ってかっこいいZTF彗星の写真を撮る方法が紹介されています。
ZTF彗星の観測できる時間は?
ZTF彗星の観測できる時間は、夕方から宵にかけてです。
ただし、夜は月が出てくるので、月の明かりの影響で空が明るくなるとZTF彗星は見づらくなってしまいます。

おススメは、月が沈みかけて低い位置にある未明の時間帯です。
北半球では夜半を過ぎて月が沈んだ後の未明の時刻が最も見えやすい。
また、市街地は街の明かりも影響してZTF彗星が見えづらくなってしまうので、可能であれば街灯の明かりがない真っ暗な場所が良いそうです。
ZTF彗星は肉眼では見づらいので、双眼鏡や望遠鏡があるとなおGOODです!
彗星は肉眼では淡くぼんやりとした光の塊のように見える天体なので、しっかりと15分ほど夜空に目を慣らしてから観測するのがポイントです。
市街地の空では、空の明るさにまぎれてしまい、肉眼ではとても見えづらい状態です。また、薄雲や、もやがあるような空だったり、月明かりがあったりする場合なども、非常に見えづらくなってしまいます。このようなときには、双眼鏡を使うと見つけやすくなりますので、双眼鏡をお持ちの方は、ぜひ使ってみてください。
ZTF彗星の観測できる方角は?
ZTF彗星の観測できる方角は主に北の空の方角です。
こちらが、国立天文台の発表しているZTF彗星が見つけ方がわかる方角一覧(東京の場合)です。
方角に自信がなくて見つけ方が不安な方は、「VIXEN Comet book」アプリを活用してくださいね。
ZTF彗星が観測できるのは2/2日未明からいつまで?
ZTF彗星最も観測できるのは、日本では2/2日未明から2月中旬ごろまでです。
引用:朝日新聞掲載 ZTF彗星
日本では2月中旬ごろまで観測でき、夕方以降に北の高い空に現れる。5~6日はぎょしゃ座の1等星カペラ、11日には火星、14~15日はおうし座の1等星アルデバランに近づくため、観測時の目印になる。
2月5日頃からは彗星が地球から徐々に遠ざかるため、北の方角の空からは、少しずつ明るさが暗くなっていきます。
2月7日(火)約5.5等 →2月10日(金)約6等星 →2月14日(火)約6.5等星
2月10日頃からは暗い空でも肉眼では見えづらくなるので、観測をしたい方は双眼鏡がマストになりそうです。
まとめ
今回は「ZTF彗星の見つけ方は?時間・方角や2/2日未明からいつまで観測できる?」と題してお送りしました。
ZTF彗星の見つけ方は北の空の方角を、1等星の明るい星を頼りに探していくとよいとのことです。

なかなか見つけ方に自信のない方は、「VIXEN Comet book」アプリがおススメです!
ZTF彗星は月明かりの光で見えづらくなるため、月が低い位置にある夕方か宵の時間帯が適してるといえます。
今後ZTF彗星は2/2~2月中旬ごろまで観測できます。
ぜひ当記事の見つけ方を参考にZTF彗星を探してみてくださいね!